がん友への手紙

薬にまさる効果を持つのは気力です。がんの告知を受けると、多くの人が不安と焦りと恐怖に陥ります。中でもステージ4の余命告知は、人の心に決定的なダメージを与えることが多いです。私がステージ4の余命告知を受けた時、ついに来るべき時が来たかと覚悟したものです。しかし、絶体絶命ともいう窮地において、告知された余命を覆してみたいという途方もない挑戦パワーが湧いてきたのです。私を生かしてくれる見えない存在を感じました。これから紹介する話は、信じることのパワーについてです。

 

私の外来にいらした宣教師のお話しです。長年体の痛みに苦しんでおられました。彼の訴えには、私は敬虔に神に仕えてきたのに、なぜこんなに苦しむのかとの思いが言外ににじみ出ていました。彼が心底から神を信じているのか私は疑問に感じたので、次の話を聞かせました。

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 旧約聖書列王第20章20-7にはこうあります。

20-1:ユダヤの王ヒゼキアが死の病にかかった。そこには預言者アモツの子イザヤが訪ねてきて、「主はこう言われる、『あなたは死ぬことになっていて命はないのだから家族に遺言をしなさい』と言った。

20-3ヒゼキアは主に祈った。「ああ主よ、わたしがまことに尽くし、ひたむきな心を持って御前を歩み、御目にかなう善いことを行ってきたことを思い起こしてください。」こう言って涙を流して大いに泣いた。

20-5主の言葉が予言者イザヤに聞こえてきた。「わが民の君主ヒザキアのもとに戻って言いなさい。『あなたの祖父はダビデの神、主はこう言われる。わたしはあなたの祈りを聞き、涙を見た。見よ、わたしはあなたをいやし、3日目にあなたは主の神殿に上がれるだろう。

20-6:私はあなたの寿命を15年伸ばし、アッシリアの王の手からあなたとことの都を救い出す。私は私自身のために、わが僕ダビデのために、この都を守り抜く。

20-7:イザヤが「干しいちじくを取ってくるように」と言うので、人々がそれを取ってきて患部に当てるとヒザキアは回復した。

 理化学研究所で研究していた東風睦之はこの旧約聖書の一文から、いちじくには死を治す作用があるのではと考えました。いちじくの液から抽出した液を癌を持ったねずみに飲ませたところ、旧約聖書と同じような効果をみました。そこで東京理化学研究所と共同でいちじくの中に含まれる成分を調べたところ、それはアミダグリンの分解物質であるベンズアルデヒドであることを、1975年に突き止めました。30年経つ現在もベンズアルデヒド療法は続けられています。東風睦之は旧約聖書列王の干しいちじくの話を信じたから、抗がん作用を持つベンズアルデヒド療法にたどり着いたのです。あなたは、主を信じておられると思います。私はあなたを治して差し上げます。今日処方する薬には副作用はありません。治ることを信じてこの薬を飲むとともに、ご自身の考え方をもっともっとやわらかい考え方に切り替えてください。べき罠、はず罠は、主の偉大なる教えである「許す」ことに反します。「べきである、はずである」から、「これでよい、あれでよい」と全てを許す気持ちに切り替えてみましょう。随分と心と体も楽になるはずです。そして欲を言えば、主から身体を与えられた自分を信じて誇りに思ってください。主はあなたの気持ちを尊重されるはずです。私たち、人は主によって作られたのですから、主に近いはずです。主を信じ、自分を信じ、そして自分を褒めてみてください。

主の許しを得たヒゼキア王は3日で病が治り、その後15年生きるわけです。あなたも主を信じれば必ず救われます。私は預言者ではありませんが、あなたの苦しみは体の上から下に向かって治っていくものと思います。