2002年2月2日

めまいと突発性難聴

Q:めまいにもいろいろあると聞きましたが

A:一口にめまいといってもその内容は様々です。周囲がぐるぐる回るような回転性のめまい、体がふわふわ浮いているような浮動性のめまい、歩くとふらつきを感じる動揺性のめまいなどがあります。

 

Q:めまいを起こす病気にはどのようなものがありますか?

A:メニエル病、前庭神経炎、突発性難聴といった「耳の病気」、脳炎、脳出血、脳梗塞などの「脳の病気」、貧血、不整脈などの「内科的な病気」などさまざまです。

 

Q:まず、耳が原因のめまいの特徴について教えてください。

A:耳は、外側から外耳・中耳・内耳と分けることができます。特に内耳は体の平衡感覚をつかさどる大切な器官です。耳が原因のめまいの多くは難聴や耳鳴りを伴い、通常数時間から数日で症状は消えます。

 

Q:突発性難聴とは

A:突然片側の耳が聞こえなくなる病気です。時にめまい・耳鳴り・嘔吐などを伴います。原因ははっきりしていませんが、ウイルス感染や内耳への血液の流れが悪くなって起きるといわれています。症状は発症後約30日で固定し、その後の改善はあまり望めません。高圧酸素療法などできるだけ早い治療が大切です。

 

Q:脳が原因のめまいの特徴について教えてください。

A:脳が原因で起きるめまいは脳幹や小脳の障害で起きることが圧倒的です。耳が原因のめまいと違って、難聴や耳鳴りを伴うことはありません。内耳に近い脳幹に障害が起きると回転性の強いめまいが生じ、内耳から遠ざかるほど比較的弱いめまいになります。

 

Q:めまいはどのような治療をするのですか?

A:その原因となる病気をつきとめ、きちんと治療することが大切です。しかしすぐに治療できない場合には、めまいを抑え、平衡感覚を回復させ、悪心・嘔吐を防止する対処療法が中心になります。急性のめまいには炭酸水素ナトリウム、ジアゼパムなどの注射薬が有効です。一方、慢性的なめまいの治療薬としては、抗ヒスタミン剤、血行改善薬などが用いられます。さらに高圧酸素療法などの治療方法があります。

 

Q:高圧酸素療法とは?

A:この療法は血液中にたくさんの酸素を溶け込ませ、各種の症状を改善しようというものです。密閉されたタンク内の気圧を上昇させ、その中で患者さんには100%酸素をマスク呼吸していてだきます。本来は潜水病や一酸化中毒症の治療に利用されていますが、脳梗塞によるめまいや突発性難聴の治療にも用いられます。めまいは脳梗塞などの初期症状の可能性もあります。(1)めまいが持続する(2)繰り返し嘔吐する(3)片方の手や足に力が入らない(4)物が二重に見えるなどの症状があれば、早めに専門の医師に相談を。

 

リビング新聞 2002年2月2日