2013年12月4日

周期性四肢運動障害 よく寝ているのに寝起きも悪く、昼間眠たい 56歳女性

56歳の女性。几帳面な性格もあり夜は11時には就寝、朝は6時に起床する規則正しい生活を送っています。睡眠時間は平均7時間寝ているのですが、なぜか日中眠気があり元気が出ず困っています。

 

大田医師:入眠困難はありますか? 

患者さん:時に眠りにくいことはありますが、おおむね床に入って30分前後で眠ります。

大田医師:途中覚醒はどうですか?

患者さん:途中で一回程度トイレに起きます。トイレのあと、時に眠りにくいことはありますが普通には寝ているように思います。

大田医師:朝、目が覚めたときの気分はどうでしょうか。爽快ですか? それとも寝が足らないですか?

患者さん:時間は充分寝たはずなのに頭も体もすっきりしません。どうしてでしょうか? 

大田医師:睡眠中いびきをかいたり、呼吸が止まったりしていることをご主人から指摘されたことはありませんか?

患者さん:時に軽いいびきをかくことはあるようですが、気になるほどのいびきではないし、呼吸も止まらないそうです。 

大田医師:その他ご主人から何か苦情はありませんか? 

患者さん:主人から時に意味もなく睡眠中足で蹴られることがあるとのことで、少しお布団を離して寝るようにしています。その後は苦情もなくなりました。 

大田医師:それでは一晩泊まってもらって睡眠ポリグラフ検査をしてみましょう。検査中寝姿をビデオで撮らせて下さいね。

患者さん:結構ですよ。

大田医師:検査結果が出ました。入眠もよく、ノンレム睡眠、レム睡眠の周期もよく、無呼吸低呼吸も正常範囲です。ただ問題は睡眠が浅く、睡眠相4相のうち、2相までしかいってなく、終夜、浅い睡眠と本人は目覚めたという意識のない頻回な覚醒反応が見られます。さらに注目すべきことは右前脛骨筋電図が周期的に興奮していることです。ビデオを見ても周期的に右脚を大きく屈曲させています。どうぞビデオを見て下さい。

患者さん:ほとんど一晩中右脚を曲げたり蹴ったりしていますが、いったい私は何をしているんでしょうか? 

大田医師:これは周期性四肢運動障害という睡眠中に起きる下肢の異常運動が、あなたの熟睡を妨げているのです。

患者さん:治療法がありますか?

その後Aさんは、周期性四肢運動障害の薬物療法を受け、朝の目覚めも爽快で元気な生活に戻られました。